だいたい自家製 ビリエットシェフブログ

自家製生ハムを始め自家製大好きなシェフの日記

自家製生ハムの作り方 3

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・運ぶ

普段は宅急便で実家の長野県木曽に送るのですが…

2017年は愛機を念願のBMWR80に乗り換えたので意気揚々と生ハムを積み実家の長野へツーリングがてら運びました

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もうネタになっちゃいますが

高速でサイドバッグごと生ハムを落としてしまうというアクシデントがありました…

SAで気付いたのですがマフラーに残る痕跡は最後まで頑張った補助に巻いていたイタリアンカラーのベルトの跡🇮🇹

そして直ぐにネクスコ東日本さんに電話して後続に迷惑が掛からなかったかを確認

サイドバックは無事に回収され鍵も開いて無いとの事

その後帰りに八王子警察に引き取りに行き生ハムツーリングは最初で最後となりました。

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とても反省しております。

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・乾燥

そして木曽の実家にある風通しの良い現在は使っていない風呂場で更に乾燥させます。

 

・熟成

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そして昔はお味噌や漬け物、お酒等を貯蔵していた土蔵の味噌蔵に吊るして熟成させます。

そこから半年〜1年程熟成させます。

その間は家族にカビをキレイにしてもらったりしてケアしてもらいます。

 

・完成

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カビだらけですが外側を掃除します

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こんなにキレイなんです‼️

解体する時、最初に包丁を入れる時に香りが立つのがまたイイんですよ〜😆

スライスすると…

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正直コストも手間もかかりますが、手作りならではの自分だけの味を出せるのが作り続ける理由なのかもしれません。

いつか生ハム工房を作り大量の生ハムを作るのが目標です😊

 

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自家製生ハムの作り方 2

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余談ですがビリエットの生ハムオブジェ

実は妻と結婚する前、まだ付き合っていた頃にお願いして妻のアパートで製作してもらったものだったりします😆

これはだいぶ出来上がってきた所です

 

・乾燥

塩抜きを終えたらラップをせずに冷蔵庫に1日入れておきます。

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・乾燥 2

そしてスネ先に吊し用のタコ糸をギュウギュウに縛り店内の涼しい所に3週間程そのまま吊しておきます。

3週間後

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・コーティング

ある程度生ハムの水分が抜けたら剥き出しのお肉部分にフタをします。

フタになる物はラードと米の粉等を混ぜた物

常温に戻して厚塗りになりすぎない様に塗ります。

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続く

 

 

 

自家製生ハムの作り方 1

シャラキュトリーの王様と呼ばれる骨付きの生ハム

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ビリエットではイチから手作りで仕込んでいますが、店頭の巨大生ハムも実は妻の手作りだったりします😊

 

半分我流の作り方ですが、王道の骨付き生ハムの工程を‼️

 

・先ずは鹿児島か沖縄の皮付きの豚の後ろ脚を仕入れます。

その際仕入れ先にお肉を吊るす為に通常スネの先開ける穴を開けない様にお願いしておきます。

余分な骨とお肉をカットして滑らかに成形した後、大動脈に向けしごく様に良く揉んで余分な血を出し切ります。

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・次に2回に分け塩漬けします。

先ず"前漬け"

塩は天然のミネラルをたっぷり含んだ岩塩を使い1週間程塩漬けして腐り易い余分な水分をある程度抜きぬるま湯で洗います

そして"本漬け"

前漬けと同じ様に塩漬けし、約3週間後

塩抜きをします。

ぬるま湯で洗ってから約半日程水に浸けておきます。

塩漬け
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塩抜き

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続く

 

 



 

肉の日 4

2017年7月の肉の日は

ジゴ・ロティ

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正確には

Gigot d'agneau Roti

フランス語です

何でかと言うとイタリアとかレストランとかで無くマンガでインスパイアされたお料理だからです

   大使閣下の料理人(1) (モーニングコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00A2MCQHG/ref=cm_sw_r_cp_api_i_4pkzEbXAXTMNH

他にも面白いお話が沢山ありますが、この料理を作るエピソードが特に印象に残っており

いつか作ってみたい‼️

という所が始まりだからです。

まあレシピも無いので今までの経験とマンガのイメージでレシピを構築して行きます。

仔羊の後ろ足を丸ごと仕入れて、インド料理食材のお店で買い漁ってきたスパイスとハーブで2日程マリネして

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じっくりとオーブンで焼き上げます。

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付け合わせもクスクスやピタパン等、普段提供しない料理を考えたりと

とても楽しかったりもします😊

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このお料理はリクエストも多く何回かリピートして作っています。

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この難局にお店を潰さない為に

自分のお店は7年目になりますが、江戸川区の小岩という立地もあり地元のお客様が多いです。

週末はそこそこ繁盛しますが平日は夜ノーゲストなんて割とあったりします。

なのでウチは食材のロスを無くす為

食材の仕込み方をちょっと工夫します。

必須アイテムは真空パック

簡易的なので充分

Amazonなんかで¥10,000〜¥15,000くらいで買えますよ

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魚でも肉でもそうですが(物にもよります)ちょっとだけ塩を当て水分を軽く抜いてからオリーブオイルをちょっと塗って真空するだけでかなり日持ちします。

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例えばサーモンマリネなんかも小分けに出来るしオイルの量も節約出来ます。

今はお魚の価格が安くなってるし、ツナとかオイルサーディンだとかまとめて保存食作ったり出来るチャンスだったりもします。

冷凍も良いと思います。

煮込みも作り立てを一人前ずつ小分けして真空パックして冷凍保存します。

作りたてには負けるけど同じ味がキープ出来ます。

リゾットのお米も半炊きして小分けで冷凍してます。

オーダー入ったらレンチンという感じ

超便利だし美味しく出来ると思います。

 

そんなに冷凍庫のスペースねえよという方はストッカーという手もあります。

こちらも¥20,000以下でネットで購入しました。

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野菜やフルーツはアルミホイルを敷いたタッパーに入れたり巻いたりするだけで雑菌が湧き辛くなります。

贅沢をいうと挽肉機もあったらなお良いと思います。

真空パックのお肉も限界があるのでダメになる前に冷凍ストックしておいて、たまったらソース用に挽肉にする

業者さんの安い挽肉よりは全然美味しいと思います。

生ハムの端材を挽いてミートソースに混ぜても美味しいですよ❗️

 

色々と書きましたが、そんなの知ってるよって方はごめんなさい

みんなでこの難局を乗り切りましょう😊

 

#フードロス

#食品ロス

#コロナ

 

 

 

 

 

 

肉の日3

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2017年6月の肉の日は

アンガス牛

アンチエイジングTボーンステーキでした

お客様からのリクエストでやらせて頂きました。

何がアンチエイジングかというと

熟成牛ではなく(アンチ=反)非熟成肉

熟成してなくても美味しいんですよ〜!

という思いが込められているんです。

熟成牛も美味しいとは思うんですが周りのお肉のトリミングがどうにも気になってしまう。

ロス無く全て美味しく食べれば良いなぁという思いから生まれた調理法です。

 

アンチエイジングビーフの特徴は

・焼き上げてカットした断面からのドリップも少なく口の中でジワッと肉汁が出る

・旨味を増幅させるというよりは旨味を逃さない

・割と誰が焼いてもパサつかず美味しく焼ける

 

お店では入荷してから切り分けて小分けして真空パックまでしてしまうのでお肉のロスはほぼ無いです。

現在は豚や鹿、猪も同じ様に仕込んでいます。

お肉は色々な考え方もあるので批判もあるとは思いますが、ウチではこんな感じでやってます。

 

 

詳しくは2016年のdancyu

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究極の保存食

すんき漬け

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ビリエットに常備しているすんきのザワークラウト

地味ですが凄いんです。

通常ザワークラウトは塩漬けしてから発酵させて作る保存食

ウチでは塩もお酢も使いません。

 

どうやって保存させるかというと

僕の地元の長野県木曽地方で作られるすんき漬けの酵母を使い乳酸発酵させ保存しています。

すんき漬け自体は"木曽菜"と呼ばれる赤かぶの葉っぱを軽く湯掻いて前の年のすんきを種にし、樽等に敷き詰め一定の温度に保ち発酵させて作ります。

発祥は戦時中の塩すら高価な時代、山あいの開田高原付近で厳しい冬を越す為に考え出されたと言われています。

僕が子供の頃、実家では樽に詰めてから暖かい居間に置いて家中の布団をかけ保温して作ってました。

異様な光景だったので凄く覚えてます。

(現在は保温鍋で作ってます)

出来上がったものは現在は生ハムを吊るしている土蔵の蔵に保存し、必要な分だけ蔵に行って台所に持って来てましたね。

食べ方は鰹節をとお醤油をかけて食べたり

味噌汁にも入れます。

お味噌は出汁は入れず、すんきとお湯と味噌とすんきの汁だけで作ります。

子供の頃は嫌いでしたが今では二日酔いの朝なんかには最高の味噌汁だと思います。

木曽のお蕎麦屋さんでもすんき蕎麦を見かけると思いますので見かけたら是非!

塩が入っていないというのもありますがすんきの植物性乳酸菌が動脈硬化防止にも効果があり、血管を若返らせる作用があり身体にも良いんです。

 

ビリエットのザワークラウトもほぼ同じ作り方で食材はキャベツとカブの葉っぱ、ローリエコリアンダー、ネズの実など。

酵母は前に作ったザワークラウト瓶の下に沈んでいる白っぽいのが酵母なのでそれを集めて次の仕込みに輪廻のごとく使います。

ビリエットではそのまま生ハムやサルシッチャに添えたり豚バラのシュークルート

生ハム入りのペペロンチーノに乗せたりもします。

こんな地味な料理ですがこれだけのストーリーがあったりします。

 

 

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白っぽいのが酵母
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すんきのペペロンチーノ

すんきの優しい酸味がオイルに絡みツルツルとした新食感のパスタになります。

 

#ビリエット

#自家製生ハム